診療紹介

痛みの少ない手術・治療について

当院では、どうぶつ達にできるだけ負担を強いないよう、手術などに伴う痛みの治療にも力を注いでおります。痛みの緩和ケアにより、大きな手術の翌日から元気に振舞ってくれたり、他施設で手術をうけたときよりも元気にしてくれているといったお声を頂戴しております。

椎間板ヘルニアについて

椎間板ヘルニアとは

背骨のクッションの役割をする椎間板が正常な位置から逸脱し、脊椎の中を通る脊髄神経を圧迫する状態を椎間板ヘルニアといいます。ミニチュア・ダックスフントやコーギー、ペキニーズ、プードル、シーズー、パグ、ビーグルといった軟骨異栄養症性犬種と呼ばれる犬種に多く見られ、これらの犬種では若齢期から椎間板の変性が始まり、2~7歳頃に椎間板ヘルニアの発症のピークを迎える傾向にあります。この他の犬種では、加齢にともない多く見られるようになります。 fig01

進行性脊髄軟化症

また、急激な脊髄の圧迫に伴い、脊髄神経の重度の圧迫、虚血により、「進行性脊髄軟化症」に進行するケースも椎間板ヘルニア全例の2~3%、最も重篤なグレード5であれば10%もの患者さんが、脊髄軟化症を併発する可能性があります。進行性脊髄軟化症を併発すると、脊髄神経の損傷部位を中心に、神経の壊死・軟化が始まり、それが頸髄や延髄に達すると前肢にも麻痺がでたり、呼吸中枢の機能障害が起こり、死亡してしまうという恐ろしい合併症です。
以前は、進行性脊髄軟化症がひとたび発症すれば100%死亡するという報告でしたが、最近の事例では、プロテアーゼインヒビターを用いた積極的な内科治療や脊髄の浮腫を減圧させる外科治療の併用で、救命できる例も出てきております。

治療について

椎間板ヘルニアは、症状の進行度によって5段階のグレードに分けられます。
治療のタイミングや方法、予後にまで影響する分類であるため、正確な神経学的検査を実施し、現在の症状を正確に把握することが非常に重要です。
治療は大きく分けると外科治療(手術)と内科治療(薬・運動制限)です。脊髄への圧迫を取り除くのか、圧迫はそのままに治療を継続するのかが治療の選択肢です。
正確な神経学的検査と画像診断を実施の上、飼い主様と今後の予測されうる経過や治療成績等をよくご相談させていただき、治療内容を検討していきます。
当院では手術後のリハビリテーションにも力を入れており、早期の機能回復を目指します。

デンタルケア・超音波歯石除去治療(スケーリング)

fig02 犬や猫において口臭の一番の原因は歯石・歯肉炎などによる口腔内疾患です。2歳以上の犬の80-90%で歯周病がみられると言われています。犬や猫の歯は本来白色ですが、2-3歳になると細菌の塊である歯垢や歯石がたまり、根元が茶色くなります。歯垢や歯石の中に住む細菌は歯茎に炎症を起こし口臭の原因になります。さらに、犬や猫は口の中で細菌の繁殖を抑える酵素が人と比べて少ないため歯石がすぐ付着してしまいます。
歯肉炎が進行すると、歯と歯茎のすきま「歯周ポケット」が形成され、歯垢がたまり、炎症が広がり、歯の根元や歯を支える顎の骨の一部が溶けて歯がグラグラしたり、物を噛んだ時に出血したりします。歯周病を放置すると、歯の根元に膿がたまって頬に穴が開いたり、歯肉の血管から多量の細菌の毒素が体全体にまわってしまい全身に広がり重大な病気を引き起こすことがあります。具体的には心臓・肝臓・腎臓・肺などに悪影響が生じます。
犬の心臓病の中でも最も多い「僧帽弁閉鎖不全」という病気は心臓の弁がきちんと閉まらず血液が一部逆流してしまう病気ですが、細菌の毒素で心臓の弁が変性してしまうことも原因といわれています。
歯周病の予防にはご自宅でのデンタルケアが有効です。ガーゼや歯ブラシで磨くだけでも有効ですが、せっかくなら歯垢を融解させる酵素入り歯磨きペーストを使ってのブラッシングや酵素入り歯磨きガムの利用が推奨されます。歯磨きが苦手な子や、デンタルケアをがんばってもらっていても時間がたつとどうしても固い歯石が付着してきます。その際には超音波スケーラーを用いた歯石除去治療(スケーリング)がもっとも有効です。スケーリングをすることで歯が美しくなり、口臭がとれ、同時に口の中をチェックし悪い歯を抜くこともできます。スケーリングを行った後はブラッシングやガムなどで歯石がつかないようにケアしてあげましょう。

  • 歯が黄ばんでいる
  • 歯石がついている
  • 口がくさい
  • よだれが多い
  • 歯がグラグラしている
  • 口から血が出ることがある

このような症状がみられたら要注意です。当院にご相談ください。

歯石除去処置の内容

  • 1. 治療前の準備:細菌の塊である歯石を除去するにあたって、歯肉の血管から細菌が流入して問題が生じないように、抗生物質の注射や、歯茎の炎症を鎮める消炎剤の注射が入ります。また、安全な麻酔維持のために、点滴をつなぎます。
  • 2. 歯垢・歯石除去:超音波スケーラーなどで歯石を除去。
  • 3. ルートプレーニング・キュレッタージ:キュレットという器具を使い歯肉ポケット内をきれいにします。
  • 4. ポリッシング:研磨剤を用いて歯の表面の微細な傷や凹凸を研磨し、歯垢・歯石の再付着を防ぎます。
  • 5. 薬剤注入:歯肉炎がある場合は抗生物質や消炎剤などの薬剤を歯周ポケットに注入します。
  • 6. 口腔内の消毒・洗浄:最後に消毒液を使って口の中を消毒・洗浄して終了です。

治療の手順

  • 予約:超音波歯石除去治療には全身麻酔が必要です。電話または受付でご予約ください
  •  ↓
  • 治療前検診:治療1週間前から当日午前中の間に検診を受けていただきます。
    項目:身体検査、血液検査、レントゲン検査等
  •  ↓
  • 治療前日から当日:食事は治療前日の夜12時以降、水は治療当日の8時以降は与えないでください。
    治療当日は12時までにご来院ください。
  •  ↓
  • 治療後:治療当日の18時以降にお迎えに来てください。犬歯や奥歯の抜歯の必要がある場合には、疼痛管理の必要上、1泊入院になる場合もございます。(事前にお伝えします)

費用

約2万円~2万5千円

  • ※ 料金には麻酔前検診(身体検査、口腔内検査、血液検査)、超音波スケーリング技術料、麻酔料、点滴料、注射料、生体モニター料が含まれます。
  • ※ 高齢や健康面で問題のあるどうぶつにはより安全な麻酔を使うため、麻酔前検診として胸部レントゲン検査を追加加算することがあります。
  • ※ 抜歯の本数が多い場合や重度の歯槽膿漏の場合などは鎮痛剤の投与、抗生物質の投与、点滴、入院などが必要な場合もあり、別途料金が加算されます。
  • ※ 麻酔前検診内容、治療内容は個々の患者様によって異なるため、歯科処置前にお見積もりを作成の上、ご相談させていただきます。
  • ※ スケーリングは完全予約制です。

去勢手術・避妊手術について

去勢手術

わんちゃん、ねこちゃんの性成熟は早い子で5~6ヶ月齢です。去勢手術・避妊手術をすることで、発情中のストレスから開放してあげることができます。またいくつもの病気を予防できることがわかっています。飼い主さんとわんちゃん・ねこちゃんのより良い関係を築くために去勢手術・避妊手術をおすすめしています。

  • ・病気の予防(わんちゃんの場合、前立腺腫大、精巣腫瘍、肛門周辺の腫瘍、会陰ヘルニアなど多くの病気が予防できます)
  • ・行動の変化(攻撃性が低下します。おだやかになり、しつけもしやすくなります)
  • ・尿のマーキングが減る(早期に去勢手術をすることで、効果が高くなります)

避妊手術

  • ・病気の予防(乳腺腫瘍や子宮・卵巣の病気の予防になることが分かっています。特に乳腺腫瘍については、1度も発情しないで避妊手術をすると、発生率が極めて低くなります)
  • ・望まない妊娠を防ぐ
  • ・発情期のわずらわしさが解消される(発情による出血、鳴き声、逃走などを防ぎます)

症例紹介

  • ●精巣腫瘍
  • ●肛門周囲腺腫
  • ●会陰ヘルニア
  • ●前立腺肥大
  • ●子宮蓄膿症
  • ●乳腺腫瘍
  • ●椎間板ヘルニア
  • ●膝蓋骨内方脱臼
  • ●腫瘍外科
  • ●腫瘍内科
  • ●消化器外科
千里どうぶつ病院の周辺地図

地図

千里どうぶつ病院の周辺地図 » GoogleMap
駐車場

バスでのご来院

千里中央2番バスのりば(北緑丘団地、豊中、阪急曽根、旭が丘方面行き)より
「豊島高校前」バス停下車、徒歩3分

住所

〒562-0036
大阪府箕面市船場西 3-8-8 千里プラザビル1F
TEL 072-737-8511
FAX 072-737-8512

診療時間

診療時間

外科専門サイト

bowwow